グロトリアンはスタインウェイと血縁にあたるピアノの名器で、スタインウェイがアメリカで最高のピアノと断定できるならば、グロトリアンはドイツにおける最も優秀なピアノのひとつといいきることができるでしょう。 グロトリアンの発祥はスタインウェイの歴史と密接なつながりを持っています。 1847年のドイツの政情不安で、スタインウェイ一家はドイツを離れることになりますが、長男のデオドールだけはドイツに残ります。その後彼はアメリカのブランスウィックに工場を完成させますが、ドイツとアメリカとの往復が忙しくなり、ブランスウィックの工場を、彼の弟子であるグロトリアン、ヘルフェリッヒ、シュルツの三人に売却します。やがてこれがグロトリアン・シュタインウェヒというピアノメーカーとなるのです。 グロトリアン・シュタインウェヒの最初のピアノは、1835年に、スタインウェヒの元祖であるハインリッヒ・シュタインウェヒと、フリードリッヒ・グロトリアンの共同によって作り出されたスクエアピアノであったといいます。 ドイツの有名な女流ピアニストであったクララ・シューマンは、1870年以降、彼女の永くて輝かしい演奏活動の最後まで、このグロトリアン・シュタインウェヒの楽器を使い続けました。また、パウル・ヒンデミッド、ワルター・ギーゼキングもグロトリアンサウンドの虜だったといいます。その華麗でしかも純粋で、例えないようもない情感のある音色の秘密は次のような構造上の特徴にあります。
☆ホモジェナンスサウンドボード "均等な品質を持つ響板"という意味。グロトリアンのピアノはこの特殊なサウンド ボードを持つために音質が大変優れているといわれている。 ☆バイオリンテクニック バイオリンの形態と機能をピアノに適用したためつけられた呼び名らしく、フレームとサウンドボードの形態をバイオリンの胴形に真似たもので、この方法により、全音域にわたる完全な倍音を含んだサウンドボードの振動が得られる。 ☆打弦点 それぞれの弦に対して打弦点が何分の一であるかということが正確に調整してあり、全音域のすべての音が最も美しくなるようにアジャストしてある。 ☆その他 サウンドボードの外側だけにネジ止めされたバランスの優れたメタルフレーム、 構造の安定度を高くし、音程の狂いを防止する特殊な形状を持つブレーシングなどがある。
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